「させる」よりも「やりたい」環境
- 鈴木優太朗
- 2023年11月17日
- 読了時間: 4分
ごきげんよう。福岡市城南区の探究学習スクール「CAN!Pラボ」の鈴木です。突然寒くなってきましたね。僕の大好きな秋が短くてとてもさみしい気持ちです。秋よ、またおいで...。
...さて、今回は今週行ったプチ・アウトプットデイから見えた「子どもが表現できる環境」についてお話させてください!
それでは、どうぞ!
「アウトプットデイ」とは
子どもたちが頑張ってきたことを表現して、みんなで分かち合う場。それが「アウトプットデイ」です。アウトプット、と言うとどうしても「成果物」に目が行きがちですが、未完成のままでも提出OKです。これまでに「何を考え」「どう表現したのか」「次はどうするか」などのプロセスを重視しています。
「頑張ってきたこと」ということで、CAN!Pラボでは今回「工作」「料理」の2つのプロジェクトを進めていました。イメージはこんな感じ。
プチ・アウトプットデイの実際の様子
今回は時短バージョンということで、「プチ」アウトプットデイを行いました。
↓動画はこちらからどうぞ↓
子どもたちはワクワクしながら準備を進めていました。料理チームのハンバーガーが机に並び、工作チームの作品が展示されている。

最後は保護者の方々も一緒に輪になって談笑する様子
最後は保護者の方々と一緒に輪になって楽しくお話していました。木で刀を作った子が「オレ、ラボにいてよかったわあ」と自分の気持ちを素直に表現してくれたことに喜びを感じています。

男の子が作った立派な刀

CAN!Pラボバーガーをつくる様子
なんかとっても良い雰囲気だなあ、と感じるとともに「ではなぜ、こんなに子どもたちが自分の考えを表現できているのだろうか」と考えました。
工作チームでの出来事をヒントに深掘りしていこうと思います。
「いや、ちがう。そうじゃない。」
工作チームでの出来事です。イスづくりをしているUくんにスタッフが助言します。
「イスの座る部分、スキマこれぐらいあけてみる?」
そんな助言をうけてUくんは答えます。
「いや、ちがう。そうじゃない。もうすこし、あけたほうがラボに合う感じがする。」
自分の意見をはっきりと言えていること。今回のテーマでもある「創意工夫」が言葉の中に入っている状態を確認できました。

完成したイスに座ってみる
大人の言うことに従って「あ、はい。(本当はやりたくないんだけどなあ...)」のような返答もできただろうに、自分の意見を表現できたのは次の2つが原因ではないかと考えています。
それは
①自分で選択と決定ができると、子ども自身がわかっている
②意見を言っても否定されない環境がととのっている
です。
①についてですが、大人のスタッフも「こうしたほうがいい!」「こうするべき!」なんて子どもに「させる」ことはしません。子ども自身がどうしたいのかを深掘りするために「こうするのはどう?」と選択肢を提示します。

大人と一緒に工作する様子
子ども自身で決める回数が増えていくと、想像力を働かせて「こういうのつくってみたいんだけど」と自分からスタッフにお願いする子も出てきています。
②の環境についてです。
CAN!Pラボは4~6年生の子どもたちが一緒になって活動しています(※来年度からは1~3年生も開講します)
年上の子も年下の子もいる環境の中で、タテ・ヨコ・ナナメの関係ができあがっていると感じています。

異年齢でプロジェクトを完成!
6年生がすごいアウトプットをしているのをみて4年生も真似するタテの関係。
同じ学年同士で、協力して一緒にハンバーガーを作るヨコの関係。
そして、スタッフや保護者の方々とプロセスを共有するナナメの関係。
この関係性があること、そして「そんなことやったって意味ないよ」なんて言わずに「こういうのはどうかな?」と言い合える環境があるから、子どもたちは自分の考えを素直に表現できたのかなと思っています。
「自分のやりたいこと」を表現しても馬鹿にされないし、大人も真剣になって一緒に協働していく環境がここにはあると感じています。そんな場所で育った子が自分を表現していく姿を想像するととても楽しみです。
これからもそんな環境をととのえていくとともに、子どもたちそして保護者の方々、スタッフとともにラボの活動を楽しんでいきます!
さあ!次はなにを作ろう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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