ごきげんよう。福岡市城南区の探究学習スクール「CAN!Pラボ」の鈴木です。
日が落ちるのも早くなり、あっという間に冬が訪れそうです。この時期は運動会や文化祭といったイベントが盛りだくさんですね。さて、今回は「何を」学ぶか、よりも「どう」学ぶかというテーマでブログを書いていきます。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
問いと実体験の大切さ
先週の水曜日、子どもたちが自分で問いをたてて試す場面に出会えました。
CAN!Pラボは毎週月・金でプロジェクト学習を行っています。
水曜日はどちらかというとフリーな日。
この日子どもたちはウッドデッキで過ごしていました。
ところが蚊の大量発生によるアクシデントに子どもたちは苦しみます。
「めちゃくちゃ蚊がいるんだけど!」
「かゆいから蚊を追い払いたい!」
蚊取り線香やスプレーはあるのにある子がこんなことを言い出しました。
「どうやら、蚊は柑橘系の香りが苦手らしいぞ」
「そういえばベランダに“ライム”の実がなっていたぞ!」
「...ライムの皮燃やした時の煙で追い払えないかな...?」
CAN!Pラボのベランダにあるライム
「蚊が大量発生している」困りごとからいつの間にか
「ライムの皮を燃やしてみよう実験」が始まりました。
※安全には留意して実験しております。
ところが、
「ライムの皮って燃えない...」
そう。意外とライムの皮って燃えにくいんです。
しかし、そんなことじゃめげない子どもたち。
「モノってどうやったら燃えるの?」
「火ってどうやら燃料がいるらしいぞ」
「もしかしたら火力が足りないのでは?」
「○○という本にはこう書いてあったよ!」
※安全には細心の、注意を払って実験しております。
せっせと麻糸をほどく子の様子
子どもたちの頭がドンドンはたらいて、いきなり始まった実験が活性化していくのが伝わってきました。
この出来事から感じたこと。
それは「問い」と「実体験」の大切さです。
「ライムの皮を燃やせば蚊を追い払えるのではないか」
という「問い」から
・教科書や本から得たこと
・友達が言っていたこと
・自分が見て感じたこと
を実際にやってみる。やってみたことで得られる「実体験」をともなうことで、学びが深まったように感じています。
元高校教員の疑問
時はさかのぼり、今年の3月まで高校教員として働いていた私です。
現場で疑問に感じていたことがあります。
それは
「テストの点数が高い=いい学びなのか?」
ということです。
机の上で教科書を広げて、必要な事項を暗記する。
先生がテストに出しそうな傾向をつかんで、要点を覚えておく。
テストででた成績をもとに自分自身の理解度をはかる。
決まった問題に「正解」を出すことだけが学びではないような気がしていました。
だって、あのときの定期試験の正解って覚えていますか?
社会に出てみるとむしろ「正解のない」問題の方が多くないですか?
・あの人と仲良くなるにはどうしたらいいか。
・この世界をもっとよくするためにできることはなにか。
・自分はどんな選択をするのが幸せなのか。
そんな諸問題に対して
「あの人はこう考えているかもしれない」
「自分の人と接するのが好きだから、人と関われる職に就くのがいいのかもしれない」
といった自分なりの問いを立ててどう検証したかという実体験がその後の人生をより良いものにしていくと思っています。
探究学習は手段の一つ
私たちCAN!Pは「探究学習」をつかって活動しています。
先ほど述べた「問う」ことと「実体験」をベースにしています。
探究学習こそ学びのすべてだ!なんてことを言うつもりはありません、あくまでも「どう」学ぶかという手段のうちの一つなので。
今、私たちの周りには国語、算数、英語、理科、社会、プログラミング...といった「何を」学ぶかという視点にばかり目が行きがちです。しかし、いったん立ち止まって「そもそも、この子がどんな姿になってほしいのか」という視点で「どう」学ぶのかを選んでいくことも大切だったりするかもしれませんね。
今回のテーマは以上です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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