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探究のタネは「遊び」にあり?

  • 執筆者の写真: 鈴木優太朗
    鈴木優太朗
  • 2023年10月3日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年10月4日


ごきげんよう。福岡の探究学習スクールCAN!Pラボの鈴木です。

すべての子どもたちに“!”な体験を!をコンセプトに活動しています。


今回は日常にあふれている「遊び」についてお話していきたいと思います。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。


発泡スチロール事件


さて、事件が起きたのは9月20日の水曜日。ラボの子数名と、新施設で活動していました。目的はランドセル棚の組み立て。普段つかわない電動ドリルの使い方を覚え、作り上げる姿は熱中そのものでした。




組み立ても落ち着きだしたころ、梱包用の発泡スチロールを見てある子が言いました。


発泡スチロールって、小さな粒でできてるんだ...


もう一人の子が重ねて言いました。


これ全部分解したら雪みたいになるんじゃね?やってみたい!!


先を想像した僕

「散らかるからやめておこう」

と言いかけて止まりました。


(いや、待てよ...好奇心のままに動くこの子たちを見てみたい..)


いいじゃん、やってみようよ

と彼らの行方を見守ることにしました。


案の定、写真のようになりました。

しかし、この子たちが発泡スチロールを分解しまくっている姿から、探究活動へ向かうタネを見つけることができました。


「この部屋いっぱいにするために何個ぐらい発泡スチロールが必要だろうか?」

「なんで発泡スチロールはこんなに軽いのか?」

「どうやったら早く作業できるようになるのか?」


電動工具で棚を組み立てていた時よりも、熱をもっておもしろがっている姿が印象的でした。そこから出てきた発言も「点数をとるためのもの」ではなく本人自身の「素朴な疑問」からでたものだと感じています。



探究に向かう前の「遊び」


文部科学省より引用


文部科学省は生徒が探究するサイクルを上の図のように示しています。

なんだかむずかしそう・・・。入口になる「課題の設定」の部分はとくに難しいものがあります。


「そもそも、自分が日常生活や社会に関心がない」

「課題は自ら設定するものだけど、イメージがつかない」

というのが現状です。


一方でその「課題設定」の手前にまだ何段階かプロセスがあるんじゃないかと思っています。


それは

①思い切りやってみた。遊びの経験

②できた!という達成の経験

③自分が社会とつながっているという気づきの経験


自分を取り巻く環境(社会や自然)が自分事になった瞬間から、探究は始まる。その入り口には「思いっきりする遊び」が大事だと感じています。


ここでの遊びは

・自己目的的で

・気の向くままに

・おもしろがって

やるものだと定義しておきます。



そもそも人間は遊びが好き


人間は「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人、遊戯人)」と呼ばれるくらい遊ぶことが好きです。AIが普及して、今や画像や文章作成はお手の物。今ある仕事がなくなる!とCMでも言われるほどの時代です。そんな機械と人間を分かつものって「遊ぶ」ことができるかどうかだと思っています。


でもいつからでしょうか、遊びと勉強が


遊びは楽しいもの・役に立たないもの

勉強はきついもの・役に立つもの


と二分されるようになってしまったのは。国語も算数も理科だって、遊びの要素はどこかに含まれているはずです。そして、遊びの要素を勝手に見つけ出して実際に楽しんでやっちゃう力は、人間にもとより備わっているものだと感じています。


だって普段おとなしい子が「キャッキャ」言って発泡スチロール分解して、「もっとこうしたら」なんてこと言っていたんですよ!もしかしたら僕が勝手に「おとなしい子」「内向的な子」なんて決めつけていたのかもしれません。


おもしろがって遊べる子


どんな状況でも、目の前にあるものを「おもしろがってやっちゃう子」が究極の探究者じゃないかと思っています。(もちろん、倫理的に外れたことはしませんよ!)


そうなるためにも「遊び」から探究のタネを発見する。関わる大人として「やりたい!」と言ってくれたことに対して「いいじゃん、やってみようよ」といえる余白や余裕を持っていたいです。今回の事件は「遊び」の重要性と、関わる大人のスタンスを改めて考え直すいいきっかけになりました。



帰りがけの子どもたちに言われました。



「じゃ、あと片付けよろしく」



いや、片付けて行けよおお。



では、また!




 
 
 

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